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2014年 07月 16日
「Odyssey of Iska 1984」 40.パリ、そしてケルン パリに戻るとすぐに大韓航空のパリ支店に行き、盗まれた航空券の再発行手続きをした。 長身の美人のフランス人スタッフは、マドリードから電話した時と同じく「No problem!」を連発しながらスラスラと書類を作り、最後にここにサインをしろと言う。 とても慣れているのは、私のように盗まれたり失くしたりする奴がたくさんいるということか? 終わって店を出る時、再発行されてもチケットは使わないかもしれない、とふと思った。 だいぶヨーロッパにも慣れて来た。このまま異邦人として残らないとも限らない。 だとすると手数料は無駄だな?! そう思った。 Bさんの所へ行って日本から来た手紙をもらった。 お袋から手紙が来てて、読むと、ぐじゃぐじゃ心配事や「あなたには秘密でも保険をやはりかけておけばよかった」とかくだらないことが書いてある。しょうがないので、 「こういうことを書くと、子離れしていない親に見られますので、お気をつけを」 とだけ書いて、ハガキを投函した。 (以後、ヨーロッパを放浪している間にお袋からは一通も手紙は来なかった。 私のハガキが効いたのではない。ただ単純に怒っただけだ。でも、それでいい。 親子の縁はいつか切らなければならない。へその緒のようにつながっていても、お互い不自由でいいことは何も無い。たとえどこかで野たれ死にしようと、それはそいつにそれだけの生きる能力しかなかった、というだけの話だ) パリのカメラ屋を見ながら、後輩のI君の「ケルンの駅前に新宿のヨドバシのように安いカメラ屋街があった」との言葉を思い出した。 私のユーレイルパスはあと2日で切れる。だったらカメラを買いにケルンに行こう。 幸い、パリーケルン間は電車で5、6時間だ。一泊すれば市内も少しは観れるだろう。 翌日昼過ぎにパリの北駅を発ち、夕方6時頃ケルン中央駅に着いた。 駅の構内に「4711ECHT KÖLNISCH WASSER」の大きな看板が掛かっている。 そうか!オーデコロンは「ケルンの水」のフランス語だったのか!とやっとわかった。 駅でお金をチェンジし、インフォメーションで宿を紹介してもらい外に出た。駅前広場にオニオンリングフライを売ってる屋台があり、それをみんなが食べている。私も買って食べたが、とても美味しかった。 食べながらふと横を見ると巨大な黒いタケノコが2本生えたような大聖堂が目の前にそびえ立っている。冗談じゃなくデカい。相当引いてもカメラのアングルに全体が入り切らない。 中に入ると、これまたデカい。 なんでこんなデカい教会をつくる必要があったのだろう? 国王や教会の権威の象徴だろうか?それとも国民の総意? いずれにせよ私はゴシックにはあまり惹かれない。 演出が過ぎて、神と人間とが乖離してしまったような感じがする。 それにひきかえ、ロマネスクには神と人間とが親しい関係で保たれていて惹かれる。 また、ルネサンスにもあまり惹かれないが、その後のバロックにはもう一度人間化(肉体化)して神との関係を親しくしようとした感じが見て取れ惹かれる。 こういう神と人間との関係や温度差をヨーロッパの教会を見ているといつも感じる。 大学で教わった建築様式の違いよりも、こうした感覚の違いを実際に感じる方がより重要で真実に近いように思う。 大聖堂の前の通りを歩いていくと、I君の言ってたカメラ屋街があった。まだ夜の7時頃だったが、どこも閉まってて開いてるのはレストランだけた。改めて東京の便利さを感じた。 その通りをさらに歩いていくとホテルがあった。 部屋に入るとこざっぱりしててとてもきれいだ。調度品も過不足無く、気の利いた工夫もされてる。色もグレー系で統一されてて、いかにもドイツだ。 ただ、値段もドイツで、駅のインフォメーションを通したから5500円で済んだが、通さなければ、9000円だ。今まで泊った中で一番高い。ただし、この部屋は気に入った。 翌日は午前中からカメラ屋街に行っていろいろカメラを見たが、兄から貰い今まで使い続けて愛着のある盗まれたカメラがペンタックスSPFだったので、いまさら取説と格闘しながら他社のカメラを使う気がどうしてもしなくて、結局ペンタックスMEスーパーを買った。 免税も入れると、確かにヨドバシと同じか、それより安いくらいだ。エクタクロームもたくさん買ったが、一本700円くらいで現像込みだから、日本よりは断然安い。 このように精密機械や工業製品はドイツで買うのが得だが、だからと言って、スペインやフランス、イタリアの物がダメだとは思わない。 その国にはその国特有のデザインや匂いがあって、チープな色やデザインにも私はそれなりの価値を感じている。(イタリアのスーパーマーケットで必要に追われて買った80円の爪切りは未だに愛用している) カメラは買って再生できるが、盗まれたカメラ内のカルカソンヌの撮影フィルムは再生できない。同じように、盗まれたバッグ内のスケッチブックやメモ帳も再生できない。 お金で解決できることは大したことではない。できないものが大切なものだ。 それを改めて知った。 しばらくケルンの街を歩き、夕方の列車でパリに戻った。 新しいユーレイルパスを使い始める日までパリで少し休息することにした。 かずま
by odysseyofiska4
| 2014-07-16 15:49
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