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2014年 07月 14日
「Odyssey of Iska 1984」 39.ふたたびパリへ マドリードに着いて丁度1週間後の金曜日、パスポートは再発行された。 (その時、私の記憶と実際の発行年月日は1日だけ違ってたと大使に言われた) TCの再発行はその日までに間に合わなかったので、翌月曜日に受け取った。 (その時、使用済み番号のチェックで間違えてたのは2枚だけだと言われた) 画家の先生に会いにホテルに行ったら、部屋はそのままに、トレドに2、3日写生旅行に出かけた後で、フロントに手紙を預けて去った。 文部省のYさんともその数日前ホテルで別れた。 銀行で必要な分だけペセタに換えて、その夜発つパリ行きのカタラン・タルゴの寝台車のチケットを買った。 ランチをゆっくりして、その後Gran Viaを端から端まで歩きながらスケッチした。 実は昨日も同じことをした。私は何とかしてこの大好きな大通りを身体できちんと憶えたかった。そしてきちんと定着させたかった。 私はマドリードと一体になりたかった。 坂道を上ったり下ったりしながら、カフェで道行く人をぼんやり眺めながら、たわいもないことを繰り返しながら、別れを惜しんだ。 夜になり、出発の30分くらい前にチャマルティン駅に着いた。 列車が入って来たので見ると、スペインの列車とは思えないくらいカッコイイ。 中に入るとさらに驚きで、床が低く、寝台車内はすべてFRPで曲線が多く、通路も真っすぐではない。私のコンパートメント内は2段ベッドだが、不思議なデザインだ。 入って来た車掌にパスポートを預けながら「本当にこれはスペインの列車か?」と訊いた。 すると、彼は「あったり前さ!スペインに決まってるだろ!!」と鼻高々に答えた。 (結局、他に客はいなかったので、パリまで一人で部屋を占有した。 国境まで時刻表通りに走ったので感心したが、遅れると罰金を払わなければならないのだというのは後で知った) 発車してからもしばらくは車内に目が行ったが、そのうち車窓の外の景色に見入った。 セルバンテスの時代から400年経つが、痩せた土地に点々と立つ不思議な建物を見ていると、今にもドン・キホーテが現れてきそうな気がする。 そんな幻影を楽しんでいるうちに、やがてすべては闇に包まれ消えて行った。 かずま
by odysseyofiska4
| 2014-07-14 20:00
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