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2011年 02月 16日
「Odyssey of Iska 1984」 8.ふたたび、ローマ ローマに戻ったのは、(ナボナ広場で出会った老人の言葉から急遽ヴェネツィアへ行ったので、)まだ観ていない建物や周辺の街がいくつか残っていたからだ。それを観終えてから南へ向かおうと思った。 サント・ステファーノ・ロトンド教会に行った。 もう教会はいいやと思っていたが、Hが「お前が見たらおもしろいと言うに決まってる」と言うので行ってみたら、本当におもしろかった。 ローマで最も古い教会の一つで、円形の回廊の中にもう一つの円形のドームがあり、それまで見たバジリカ形式の長方形の教会とは違って、中心生の強い、だがどこかおおらかさの漂う空間だった。ビザンチンの匂いもした。 ヴィラ・アドリアーナにも行った。 ハドリアヌス帝が築いた広大な別荘群で、ローマ帝国内を巡りながら自分の気に入った建物のデザインを集めてコラージュした、言わば古代のテーマパークのようなものだが、あまり感動しなかった。廃墟然とした姿はどこかローマのミニチュアを観ているようだった。 そろそろこの街を旅立たねばと思った。 まだ観ていない現代美術を観に行った。 アルテ・ポーヴェラの作家達の作品もおもしろかったが、アルベルト・ブッリ、カポグロッシ、そして大好きなルチオ・フォンタナの作品が心に残った。 郊外の高橋秀さんのお宅へ遊びに行き、美味しいランチをご馳走になった。 バビントンでお茶をして、ベルテッキで気に入ったステイショナリーをいくつか買った。 身を軽くするためそれらを段ボールに詰め、船便にして送ろうと郵便局に行った。 前から3番目だったので楽勝だなと思い、余裕で待っていた。 ところが、最初の男が終わるのに1時間近くかかった。次の女が終わるのにも同じくらい時間がかかり、やっと私の番が来た。 すると、ガラガラガラと受付の鉄の格子を下げ、郵便局員は去ろうとする。 大声で「俺の番だ!」と言うと、それ以上の剣幕でベラベラベラとイタリア語で捲し立てる。 何のことだかさっぱりわからない。 先程終わった女が「昼ご飯だから2時間後に来い!と言ってる」と親切に英語で教えてくれた。 なんてこった!お前ら公務員だろ!! またしてもイタリアだ。 諦めて食事に行き、時間潰しをしてから2時間後に戻ると、鉄の格子は下がったままだ。 ボンヤリ待っているとやっと郵便局員が戻って来て私の荷をチェックし始め、中を開けろと言う。仕様がないから開封すると、一つ一つニヤニヤ見ながら紙に何か書き込み、渡す。 28,100リラだと言う。 何でそんなに高いんだ!!ここはイタリアだろ??と言ってもさっぱり通じず、埒が明かない。 今日中にすべてを終えて出発するつもりだったので、諦めてお金を払い、Hと最後の晩餐をして、今日の顛末を話した。 「お土産と本を一緒くたにして、手紙も入ってたから、一番高い種類のkgでカウントされたんだろう」とHと奥さんが言った。 以後、船便を送る時は、本と他の物は分けることにした。 明朝、私はナポリに旅立った。 その時までにフィレンツェから投函した私の手紙はローマのHの家には届かなかった。 (私の旅はその後も8ヶ月くらい続いたが)ローマから送った船便が東京に届いたのは帰国してしばらく経ってからだった。 ローマは月よりも遠い。 かずま
by odysseyofiska4
| 2011-02-16 23:37
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